令和四年度補正予算 ポイント解説 10分で次年度補助金の概要をつかむ!

補助金で今現在募集されているものは2023年1月13日〆切というので今年度は終了ということになっています。

「それで補助金は終わりなんですか?」「次年度以降はないのでしょうか?」というお問い合わせをいただくことが多くなっています。

そこで次年度以降の補助金の詳細に関して概要を解説していきたいと思います。

次年度補助金の情報はどこを見たら良いのか?

補助金に関してはやはり政府が出している一次情報に当たっていただくということが一番正確になります。

ではどこを見たらよいのかというと「中小企業庁」の「中小企業対策関連予算」というページをご覧ください。

次年度の補助金の中でも特に中小企業向けの補助金の内容について告知がされています。

検索する場合は 『総合対策予算 中小企業』というキーワードで調べていただくと恐らく検索結果の一番上に出てくると思いますので、 中小企業対策関連予算というところを開いて見てください。

令和4年度第2次補正予算関連ということで、PDFファイルが開けるようになっています。

中小企業・小規模事業者等関連 令和4年度補正予算のポイント

この中の一番上の令和4年度補正予算のポイントというファイルを開くと補助金全体像について内容が分かります。

それぞれの補助金について今出てる情報を知りたいと思ったら、さらに下の PDF を開いていただくと、わかりやすくまとめてくれてる資料が見れます。

令和4年度補正予算案から補助金の実施予定を確認する

令和4年度補正予算案ということで資料を見てみましょう。

ポイントですが事業再構築補助金は来年もあります

5800億円ということで引き続き大きな予算が計上されています。

事業再構築補助金の実施概要

また、生産性革命推進事業と言われるもので、

  • 「ものづくり補助金」
  • 「小規模事業者持続化補助金」
  • 「IT補助金」
  • 「事業承継引継ぎ補助金」

この辺りの補助金についても次年度もあります。

ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT補助金、事業承継引継ぎ補助金の実施概要

こちらの生産性革命推進事業に関しては、従来と同じように単年度ではなく、「令和6年度までの長期的な予算措置を担保」ということで複数年度にわたって4000億円という予算がついています。来年で終わりということじゃなくて令和6年度までこれらの補助金については継続されるということが事実上決定してますよということですね。

次年度以降の「事業再構築補助金」のポイント

事業再構築補助金においては少し制度としては内容が変わるということがこのPDFから伺えます。

従来までは元々コロナ対策ということで、未曾有の危機であるコロナに対応しないといけないという事業者さんはかなり多かったんですが、ちょっとずつ制度が改定されて今は、物価高への対応などが少しずつ入ってきてるかなという印象になります。

さらに進んで次年度においては、キーワードとして「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)・GX 」への対応であったり、賃上げだったり、こういったことに取り組む事業者にへ更なるインセンティブということで、補助率が高くなったり上限が引き上げられたりということが措置として設けられてます。

一方で引き続き状況が厳しいを事業者についても高い補助率で支援ということになっています。

事業再構築補助金の業況が厳しい事業者支援

業況が厳しい事業者向けということで「最低賃金枠」「物価高騰対策回復再生応援枠」というこの辺りの枠が、上限としては他のものに比べて多くはないんですが、おそらく採択率も高くて補助率も高いということで、より多くの業況が厳しい事業者さんが事業転換をはかるの支援しましょうという枠になってるのかなと思います。

一方、右の赤で囲まれてる

  • 「成長枠」
  • 「グリーン成長枠」

こちらは大きく賃金を引き上げる場合は上限を上乗せするとか、あるいは中小企業から卒業する場合、上限2倍に引き上げということで、補助率は大規模賃上げ達成をしない限りは1/2ということで少し低めではあるんですけれども、大きな投資をして思い切り成長するとか、あるいは、グリーン関係の投資を思い切って行うという場合には、非常に大きな金額の補助を受けるのが狙えるという枠になっています。

  • 「サプライチェーン強靭化枠」

は上限が5億円ということで非常に大きな補助金額になっています。

コロナの初年度にサプライチェーンの対応の補助金というのが一度出たことがありました。その時にも非常に大きな上限が設けられた補助金だったんですが、それがここに包含されてきたというイメージです。

国内回帰を図るような国際的なサプライチェーンが分断されても、日本できっちりとサプライチェーンが守れるような投資をする場合には思い切って支援をしましょうという枠になっています。

引き続きコロナによって厳しい状況にある事業者さんは、従来と同じような形で再構築補助金を使っていくことができますし、あるいはもっと成長しようという場合でサプライチェーン強靭化というところに、賃上げを伴ってチャレンジをしていこうというような事業者さんとってもかなり大きな金額が狙える補助金になってくると思います。

「ものづくり補助金」の今後の要件概要は?

次は生産性革命推進事業というところで、まずは「ものづくり補助金」を見てみたいと思います。

こちらにもグリーン枠というのが拡充をされるとなっています。

3段階の補助上限を設定するということです。

ものづくり補助金の実施概要

グリーン枠の中に「エントリー」「スタンダード」「 アドバンス」の 三つの枠ができて、それぞれ上限額が1250万円・2000万円・4000万円ということで上限額が変わっています。

さらに大幅賃上げを達成すれば補助上限を引き上げますとなってます。ものづくり補助金は再構築補助金が出てからはどうしても上限額とか補助率で劣後するということで、ちょっと狙う補助金としては優先度が落ちがちではあったんですけれども、今後を見ると上限額もかなり大きくなっていますので、2/3の補助率に該当する場合は、こちらも使い勝手としてはよくなってるのかなと思います。

あとは「グローバル市場開拓枠」というのが新設されます。

従来はグローバル展開型という枠があったんですけれども、そこにこのブランディングプロモーションとの経費を補助対象で追加されています。別の補助金であったジャパンブランド補助金っていうのがあったんですが、それがここに統合されるような形で設けられた枠になります。

「ものづくり補助金」と言うとどうしても、その名前の通り「ものを作るための生産設備」というような意味合いが強かったんです。さらにブランディングプロモーション等の経費を補助しますということで、設備投資だけでなくてブランディングをするとそれによって海外展開を図っていくという、企業にとってはより多角的に補助を受けながら展開が測れる枠になるということが言えると思います。

そして赤字事業者に関しては「回復型賃上げ雇用拡大枠」という最大1250万で2/3補助率の枠ができています。

これも補助率が非常には高いということで魅力的な枠になっていますので使っていきたい枠ですね。

インボイス対応枠が充実した「小規模事業者持続化補助金」と「IT 導入補助金」

「小規模事業者持続化補助金」についても引き続き継続されます。

「IT 導入補助金」と「小規模事業者持続化補助金」においてはインボイス対応するための支援が非常に充実しているというところがポイントです。

小規模事業者持続化補助金、IT 導入補助金の実施概要

このインボイス対応というのは免税事業者がインボイス対応をする場合に枠が大きくなったり、補助率が高くなったりします。

また「 IT補助金」においては会計ソフトとかそういったインボイス導入のためのソフトやパソコンとか、そういったものが使いやすい補助金になっています。

どういう補助金も従来は「これ以上の金額でないと補助金は出せません」ということがあって、なかなか免税事業者さんのような少額の利用者さんは使いにくいところがあったのですが、そういった事業者さんに積極的に使っていただこうということで、補助下限額が撤廃されて、そんなに高度な対応内容でなくとも、それこそインボイス対応するためのソフトとかハードとか、そういったものが使いやすくなってるというのがこれらの補助金の特徴です。

非常に使い勝手の良い補助金になってるかなと思いますので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

その他には「事業承継引継ぎ補助金」は事業承継や M & A をしたりとか、そういったことを契機として経営革新に取り組む、あるいは M & A をするために会計士とか弁護士、あるいはマッチング会社へのフィーを支援しましょうという補助金です。

ここに関しても地域別最低賃金+30円以上であれば補助上限額を引き上げますという対応があります。

やはり賃上げに積極的な事業者さんを優先的に支援しましょうという流れになってきています。

次年度以降の補助金概要のまとめ

キーワードとしては「グリーン対応」「賃上げ」そして「インボイス対応」です。これらがかなり重要な施策として入ってきていると思います。その辺りに対応して積極的に取り入れていこうというような事業者さんにとっては狙える補助金が多くなっていると思います。

次年度も主要な補助金に関しては概ね維持されるため、非常に使い勝手が良くなるという印象です。
ぜひ今から準備をしていただいて正式な制度が出たらすぐに事業計画書の作成に取り掛かっていただけるようにしていただければいいんじゃないかなと思います。

Youtubeで補助金の解説動画を配信しています

この記事を書いた人

川原拓馬

川原拓馬

株式会社シザコンサルティング 代表取締役
経営コンサルタント
商工中金で勤務し、中小企業の資金調達や経営立て直しを行ったきた経験などを元に独立。中堅、中小企業の業務改善などを手がける。